化粧箱とは?初心者にもわかりやすく解説!!What is a vanity case?

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目次

1.化粧箱とは何か?

2.化粧箱のメリットは?

3.化粧箱のデメリットとは?

4.化粧箱の種類

5.化粧箱がよく利用されるもの

6.まとめ

 

1.化粧箱とは何か?

化粧箱とは、広い意味にはなりますが『印刷等の装飾を施した箱』の事です。
今も昔も、贈答品を箱に収納する際に、箱に高級感を表す装飾を施しその中に贈答品を入れる風習があります。「化粧箱」は相手に送る際に敬意を払いつつ気持ちも入って受け取る側も喜ばれます。現在では、オフセット印刷等を使用した紙器全般の表現として使われる事が多くなってきました。青果関係の贈答箱は、美粧段ボールを使用する箱を『化粧箱』と表現するケースが増えてきました。

 

2.化粧箱のメリットは?

次に化粧箱のメリットについてみていきます。化粧箱といってもそのバリエーションなどは様々です。あらゆるメリットを知ることで化粧箱についての知識がより深まるでしょう。

メリット①高級感や販促効果を生み出す

化粧箱は、オフセット印刷や表面加工等を駆使することにより、豊富なバリエーションに対応していくことが可能です。それはダンボール箱と比較すると顕著に表れてきます。
同様の印刷や紙であっても、後で述べるプレス加工やPP加工、箔押し等の表面加工を加えていくことにより、見た目に華やかさが生まれて高級感の溢れる化粧箱の製作をすることが可能になります。このように高級感が溢れるのみならず、オフセット印刷では、非常に細かい印刷をすることができるので、梱包箱としての機能でとどめることなく、製品の販売促進効果の向上を期待することができます。

メリット②印刷の自由度が高い

オフセット印刷などの、プロセス4色(CMYK ※)を軸として複数のインキを使用して、細かい印刷が持ち味といえます。写真やイラストなどの再現性も非常に高いものがあり、見た目からしても綺麗な箱の製作が可能になります。
また、特色のインキの作成が比較的容易であることから、色の掛け合わせにより、印刷でブレてしまいたくない箇所(企業カラーやベタ部分など)に使用しています。

※フルカラーと言われる印刷物に関しては、CMYK(C:シアン/M:マゼンタ/Y:イエロー/K:ブラック)の4色で表現されています。通常のカラーにおける印刷物はこの4色で印刷されており、プロセスカラー印刷とも呼ばれています。異なる色の版が、同様のところに4回刷られることによって、初めてカラー印刷に見えるという仕組みとなります。

メリット③バリエーションがある表面加工

化粧箱の表面加工には、見た目を変える加工から表面の傷を防ぐ効果が多様多種に用意されています。
ホログラム加工・グロスニス加工・マットニス加工・プレス加工(鏡面加工)、フィルム加工、箔押しなどがあります。
同じ柄でも、上記の加工をうまく使い分ける事によって、箱の表面の耐久性がかなり変わってきますし、見た目の変化も大きく見られます。印刷との組み合わせによって内容物のイメージにあった化粧箱の作成が可能となります。

 

化粧箱のデメリットとは?

デメリット①大きなサイズの箱作成が難しい

A式のダンボール箱であれば、ロール紙からダンボールシートを作成するため、大きな箱サイズに合わせて対応できるのですが、化粧箱は基本的に、板紙をベースに作成されることの多い箱です。
例えば、化粧箱でよく使われるコートボールはL判と呼ばれる800×1100サイズが一般的な規格品であり、最大サイズとなります。
一部、紙によっては特別抄造品や、A倍判と呼ばれる大きなサイズが存在する場合があります。
化粧箱は紙の規格サイズを考慮して、箱の形状を変更したり、サイズを調整したり、別々の紙からパーツを取り出して貼り合わせます。
大型家電の箱の場合、紙サイズ以上になるので、それに伴って化粧箱での作成が物理的に難しいのです。

デメリット②コストがかかる

化粧箱は多様多彩な表現できる分、加工費がかかってきます。加工費の他に、加工賃や加工工程数、加工予備が増え、これが重なる事でコストが上昇してきます。

例として、EF(Eフルート)でワンタッチ箱を作成する場合ですが、両面シートを使用したフレキソ印刷の段ボール製と、オフセット印刷の化粧箱(美粧段ボール)で作成する2パターンを例にご説明します。

※フレキソ印刷とは※
フレキソ印刷とは、版の素材にゴムや合成樹脂を使用した凸版印刷方式の一種です。
インキ供給にアニロックスロールを用い、ダンボールやパッケージ、布などの印刷に多く利用されています。
アニロックスロールを交換する事で簡単に画質の調整が可能です。
さらに、溶剤インキや水性インキ、UVインキ全てが使用できます。
インキ選択の幅が広く、環境面に配慮したやさしい水性インキが最適とされていています。
現在環境問題に力を入れているヨーロッパ圏では特に軟包装分野のパッケージにおいて、フレキソ印刷への移行が活発に行われています。
日本ではリサイクル面を重視した事もあり印刷再現性を重視していましたが、システム環境の整備は遅れをとっていましたが、近年印刷技術の向上によって品質が飛躍的に向上しています。

パターン1 ダンボール製箱の場合

両面シート貼合⇒フレキソ印刷⇒形状打抜き⇒製函

パターン2 化粧箱

オフセット印刷+表面加工、片面段ボール貼合⇒合紙(印刷物と片段を貼り合わせる)⇒形状打抜き⇒製函

このように、見るからに工程数的が増加してしまうことが理解できると思います。ポイントは箱の使用目的を明確にすることと予算に合わせていくことで、内容物を入れる箱がその内容物を守ることのみに目的を置く輸送の趣旨なのか、外面的な綺麗さを求めて販売促進効果を促すものなのかなどのように目的を明確化し、それでいて予算と合うかを検討して選択するようにしていきます。

 

4.化粧箱の種類

化粧箱を先ほど説明した通り、「印刷等で化粧を施した箱」の中で一部の種類を上げると

  • 板紙(単紙)の箱

主に、加工食品やお菓子といった食料品や日用品などに使われる事が多く、一番目にする事が多い厚い紙で作成された化粧箱です。
オフセットやグラビア印刷で作成されることが多い箱です。
特徴としては安価で、畳むと嵩張らず、お菓子やレトルト食品の個装箱などの軽量物の梱包に向いているのが特徴です。しかし板紙の為、破れや変形しやすくなるデメリットがあります。

  • 美粧段ボール

➀の板紙の箱と同じ印刷を行った後、片面段ボールを合紙し、美粧性とダンボールの強度を併せ持った箱として利用されています。素材自体はダンボールであるため、形状は多種の対応可能ですが、板紙で作成されたお菓子の箱のような、変則的な形状は難しいです。

  • 貼箱

生地と呼ばれる厚紙に、薄い印刷紙やファンシーペーパー、和紙などを貼った化粧箱です。和菓子の箱や、iphoneのスマートフォンを購入した際についてくる箱などがこの類です。
特徴としては角が綺麗に立つ美しさや、和紙など特殊な材料が利用できるのですが、箱を畳んで保管ができない形状のため、保管に面積が必要なのと、輸送費が膨らむデメリットがあります。

 

5.化粧箱がよく利用されるもの

化粧品

化粧品用の化粧箱は中の商品同様に「商品の顔」として重要です。
商品のコンセプトや魅力を化粧箱からも伝える必要があります。デザインをはじめ、箱の形、表面の加工も用途に応じて製作する必要があります。
メンズ化粧品などは最近普及されてはいますが、化粧品のターゲットは女性層がメインです。商品を手にとるお客さんの年齢、好みにあわせて表現性を求められているのです。

健康食品

健康食品用の化粧箱は、類似商品などがありますので、差別性、機能性、安全性が求められます。もちろんこれだけに限らず、似たものが多いのでそこからいかにオンリーワンかを表現する事が重要となります。
ロゴをはじめ、色合い、キャッチコピーで商品をイメージする必要があり、仮にデザインが似ていても素材や表面加工などにこだわる事で手に取る側がもたらす印象が大きく異なるのです。
健康食品は内容物に「健康補助食品」「特定保健用食品」「医薬部外品」などで分類されていて、法律や条例で表示に制限があります。その中の制限をクリアしたうえで商品の特性を生かしたデザインの化粧箱が重要になってきます。

お菓子、缶詰、レトルト食品等のギフト箱

果物関係以外にも、お中元やお歳暮、他にもギフト関係でも化粧箱は多く用いられています。
内容物が重くなりやすい傾向にあり、傷や欠損の恐れがある缶詰や瓶類などで化粧箱が多く利用されています。

ビールやワイン、ジュース等の飲料

先に述べた通り、缶詰や瓶類などの割れ物を収納することに多く用いられていることはもちろんですが、百貨店等で物品を購入した場合に入れてもらえる箱も化粧箱となっています。

 

まとめ

ここまで見てきたように、箱の使用用途や目的により、材質や製品価値の考え方が変わってきます。どのような材質にすればいいかわからない場合や、中身は決まっているものの、どんな形状にすればいいかわからないなどがあれば、専門家に相談することをおすすめします。

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